グリーンで一番集中力を高める

パットというものはある意味では不思議です。トップやダフりといったミスショットが出ることはありますが、打ったボールがショットのように大きく曲がることはありません。

また、シャンクなどといった後遺症としていつまでも残る衝撃的な現象に遭遇することもないでしょう。

ヒットする方向を間違えたとしても限度があって、左右にせいぜい5~6メートルも外れることは稀なことです。それでも、パッティングの名手と凡人とでは実力の差が歴然と現れます。

これは当然、練習量の違いがもたらす部分が一番大のでしょうが、見落としてはならないことが別にあるのです。それは、集中力の違いであるメンタル的な強靭さ差と言っても良いでしょう。

プロゴルファーやシングルプレーヤークラスの人がパットに臨むときの集中力は並大抵のものではありません。

パットの名手であるかつてもジャック・ニクラウスはキャップが風で飛ばされたことにも気づかなかったという逸話が残っています。

また、タイガー・ウッズがオーガスタの16番で神懸かりともいえるパットを見せたことなどはその典型的な例と言えます。

そこまでの力を発揮できるのは、集中力を段階を踏んで高めているからでしょう。

つまり、ランディングエリアが広く、ミスショットの許容範囲も広いティショットはあまり気持ちを入れ込み過ぎず、セカンドショット以降はターゲットが狭まるにつれて集中力を高めいって、感覚を研ぎ澄ませているのでしょう。

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そして、集中力を最大限に注ぎ込むのがパッティングになるという流れを作っているわけです。

グリーンまでに至るプロセスでは試合中でも同伴競技者と談笑するプロはいます。しかし、ホールアウト前にグリーン上で談笑するプロはほとんどいないでしょう。それだけパットに意識を集中されているのだと思います。

これに比べてアマチュアゴルファーの場合を考えてみれば、出来る限りの気合いでティショットに込めて臨んでいないかと自問してしまいます。

逆に、グリーンオンした時点で安心してホッと一息ついている人もおそらく少なくないでしょう。

もちろん、アマチュアなのだからたまにはそういうことも仕方がない部分は認めますが、かといって毎回そうしたことではスムーズにスコアアップすることは難しいでしょう。

一番スコアを左右するとも言えるグリーン上では、集中力がないといいプレーなど期待できないからです。

メンタルスポーツの代表格とも言われるゴルフですが、とりわけパットに関しては、メンタルの影響をさらに受けやすいことは間違いありません。

しかし、これからいざ打とうとするパットに気持ちが集中できていれば、心が騒ぐこともないでしょう。その結果は言うまでもなく違ったものになるはずです。

気持ちの集中方法は人によってそれぞれ違うので、これが絶対間違いない方法だというものは存在しません。

しかし、心に湧く迷いを消し去って「これで確実に寄る」あるいは「確実に入る」と信じて打てる心理状況を作ることも技術の一つではないでしょうか。これはプロに限らずアマチュアにも言えることです。