パッテイングの距離感としては、どちらかと言えば30~40センチオーバーさせる位の強めに打つ方が良いでしょう。

パッティングはどこまで転がすべきかという問題は、「仮想ボール」という概念とも関係してきます。

ほとんどのプロゴルファーはカップを30~40センチオーバーするところまで転がそうと意識するようで。そこが本当の意味でのターゲットということです。

そのするべき理由を説明していきましょう

まずは、カップの径から考えてみましょう。カップの径は108ミリもあります。このど真ん中を通るラインに沿って転がってきたボールは問題なくカップインするでしょう。

しかし、左右どちらかの端を通るラインとなると、ボールが転がるスピードによって入る場合と入らない場合に分かれてきます。

速すぎてしまうと、カップに落ちようとする重力よりも、前に進もうとする力が勝って、ボールはカップには落ちません。

カップに蹴られたと言われる状況です。そして「蹴られず」にカップインしやすくなるのはカップを43センチオーパーするスピードだと一般的に言われています。

それよりもボールのスピードが遅ければ、カップに落ちようとする重力が勝ってカップインすることになります。

さらに、ボールが止まる間際の転がり具合は非常に弱くなっていることも考慮すべきでしょう。

カップの周辺は前の組までのプレーヤーたちが踏みしめることが多いために多少凹凸状態になっていることが少なくありません。

またカップの間際の場所はカップを切る作業をする際に、わずかですが盛り上がってしまっています。

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そのため転がり方が非常に弱くなっていると、その凹凸の影響を受けて転がりが曲げられてしまう可能性が大きくなります。

しかし、カップを十分オーバーするだけのスピードで転がってきたボールの場合、この凹凸の抵抗に屈することなく、直進する可能性が出てきます。

その上、誤差を考慮することも必要になります。イメージどおりのスピードで転がそうと意図しても、誤差はどうしても出てきます。

長過ぎる場合も、短か過ぎる場合もどちらもあるはずですが、仮にカップまでジャストタッチで入るスピードで転がそうとして誤差が出れば、長すぎたらカップを越えるのでカップインする可能性が残っています。

しかし、短か過ぎる場合はカップに届かなくなりますし、届くとしても転がりが非常に弱くなっているタイミングでカップ周辺の凹凸に影響を受ける可能性がより高まってしまうでしょう。

そこで、最初から30~40センチオーバーに狙っておけば、誤差が出てショートしたとしても届く確率はまだ残されていますし、長くなったとしても、ある程度はカップインする可能性があります。

強気なパットこそ、攻撃的なスタイル

上り傾斜のラインは、ボールの転がりが重力に逆らうことになり、スピードダウンが早い時点から始まります。

フラットなラインと比べると、初速と終速の差が大きいのが特徴的とも言えるものです。

左右に曲がるラインでは初速をある程度速くしても、カップから近いところから急速にスピードが遅くなり、大きくカーブしてしまいます。

そのため、ブレイクポイントをカップの近くに想定してストロークする必要性があるわけです。

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下り傾斜のラインの場合では、ボールが重力方向に一致して転がるので、初速と終速との差は、フラットなラインよりも小さくなります。

カップに近くなるほどボールが加速することもよくあります。

ストレートな下り傾斜のラインなら、小さい振り幅のストロークでボールをスクエアにヒットするだけで済むので比較的やさしいでしょう。

しかし、左右に曲がるラインではボールが転がるスピードのイメージと、ブレイクポイントの設定がそれだけ難しくなります。

パットが上手いことで知られるゴルファーともなると、たとえば、ジャストタッチで打つ場合、カップ1個分左のスライスラインには次のように対応します。

ほとんどのゴルファーはカップ1個分左の方向を狙って打ち出すでしょうが、パットの得意な人は「3メートルの距離まではカップを狙って打つ」と断言する人もいます。

これは明らかに強すぎるタッチに属するものです。少し曲がる程度のラインであれば、カップをストレートに狙ってねじ込んでしまうという考え方です。

こうした強気のパットが次々に決まると、相手は恐怖心を抱いて、早い段階から勝ちをあきらめてしまうでしょう。

ドライバーショットで遠くまで飛ばせるゴルファーが、攻撃的というのではありません。強気のパットを打てるゴルファーこそが、真の意味での攻撃型プレーヤーとも言えるでしょう。

また、パッティングの場合ははハンドファーストに構えすぎないように注意することが必要です。

アドレスの際の両手の位置は、体の中心線上と左モモの前の中間が最適かもしれません。

それよりも両手を目標方向に近いポジションにすると、パターのフェースが立ちすぎてしまうことになります。

元来ロフト角が2.5~4度程度しかないのがパターですから、それが0度、もしくはマイナス1~3度になる計算です。

そのままストロークすれば、インパクトでもフェースが立ちすぎる影響で、スキップゾーンが完全になくなって、ボールの転がりに大きく影響することでしょう。

スキップゾーンを少なめにして早く順回転をかけようと意図することは必ずしも否定はできません。

しかし、ハンドファーストになりすぎれば、インパクトの瞬間にボールが浮き上がって正しい順回転がかかりにくくなって、距離感にズレが生まれてくることが考えられます。