景色にごまかされやすい場面でラインを読む必要がある場合、周囲の形式を一旦遮断しておくことも必要になります。
ボール側からカップを見た場合と、反対にカップ側からボールを見た場合に、ラインが少し違うように感じたり、完全に逆のラインに見えたりすることがあります。
その理由は、グリーンの周囲の景色から受ける錯覚によるものの可能性があります。ゴルフコースの設計者は度々プレーヤーにわなを仕掛けるものですが、これもグリーンの見え方を誤らさせるものかもしれません。
具体的には、ボールからカップを見たときはフックラインと判断できたはずなのに、反対のサイド側からはスライスラインにしか見えないというケースなどがそれに相当します。
グリーンの奥側が急な左上がりの傾斜地になっているというケースがよくあります。
こうした状況では、グリーンの奥の地面がフラットであれば、フックラインに見えるはずなのが、グリーン上の傾斜と周囲の傾斜を同時に見てしまうために、ラインの読みの判断を間違えさせるのです。
同じような状況としては、グリーンの奥側に急激な右上がりの傾斜が目に入ってくると、軽いフックラインのはずが大きく左にカーブするフックラインに見えてしまうということもあるわけです。
このような目の錯覚を起こさせるシーンは、ラインを真横から見たときにも非常によくありがちなことです。
ボールからカップの近くまで歩いてみた際には明らかに上りのラインと感じたはずなのに、ラインを真横から眺めると何故かカップのほうが低く感じてしまうということもあります。
視覚的面から下りのラインと判断して打ったところが、ボールがまったく転がらずに、カップよりもずっと手前に大ショートという悲惨な結果になることもあります。
これはストロークの仕方のミスというものではなく、状況判断であるライン読みの間違いです。人間の体は視覚よりも、両足の裏の感覚のほうが正確なものです。
そのため、上りのラインとしっかりと読み切って、大きめの振り幅でストロークすべきシーンのはずなのです。
山岳コースや丘陵コースでは起伏の多いために、こうした錯覚は珍しくもないことでしょうが、林間コースなど平坦なゴルフコースでもデザイナーが意図的に考えたワナから生じるものもあります。
ラインを読む際に、グリーンの奥側の景色が目に入って困るようであれば、両手で両目の上を覆うことで景色を遮断する対策をとると良いでしょう。
ラインの読みに意味のない余分な景色を遮ることによって、グリーン上の本来の傾き具合を正確に判断しやすくなる対策となります。
ゴルフトーナメントを観戦しているとプロたちが、両手、もしくは片手を両目の上に当ててラインを読んでいるシーンが見られますが、彼らは余分な情報が目に入ってくるのを防いでいると考えられます。
また、太陽光が強く当たってる場合や、斜光のせいでグリーンが光って眩しく見えるような場合でも、両手で両目の上を覆うと効果があります。
これによって、ラインを見やすくするという目的が果たせることでしょう。ほんのちょっとした仕草に過ぎませんが、ラインをしっかり読み取る工夫がここにあるというわけです。
グリーンの周囲の景色の影響と対策
グリーンの周囲の景色の影響と対策はパットのライン読みでは非常に重要なポイントになることが少なくありません。
そこで、一部繰り返しになりますが、もう一度グリーンの周囲の風景について説明しておきます。
グリーンは本来は完全にフラットなのに、グリーン奥の土手が右傾斜になっていればグリーンの右側が少し高く見えます。
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また、グリーンがかなり左下がりの状況でも奥の土手も左下がりになっていればグリーンの傾斜があまり強くないように勘違いしてしまうケースもよくあるものです。
自分のラインを眺めたときにラインの向こう側にマウンドがあってそれが視界に入ってしまえば、カップまでのラインは実際は下りのラインにも関わらずに上っているように錯覚することもあるでしょう。
ラインを読む際には、グリーンの周囲の景色に惑わされないように工夫する必要があることは間違いありません。
起伏の目立つような山岳コースや丘陵コースなどでは、特にこうした錯覚が生じやすいので少なくとも自分のホームコースに関してはこれらの特徴をしっかりと記憶しておきましょう。
ラインを読む場合に、両手で目の上を囲って不要な景色を遮断するようにすることでグリーンの実際の傾斜を見やすくなると説明しました。
余計な情報をシャットアウトして自分の中から取り除くことで、ラインの読み違いを軽減することが期待できるわけです。
グリーンの傾斜はそのホールの起伏の一部という可能性ももちろんありますが、コースの設計者たちはその地形を逆手にとって様々なトラップを仕掛けていることを再度強調しておきます。
つまり、グリーンの傾斜やラインをどれだけ正確に読み取れるかという点に関して、ゴルファーたちは試されているというわけです。
見方を変えれば、それがゴルファーたちの挑戦意欲より高めてくれる働きを促すポイントにもなります。
日光カンツリー倶楽部は日本オープンを開催したことでも知られるコースですが、その代表的なコースでコース全体はフラットであるように見えるのに実際のところは山麓からかなり下っています。
そのため、グリーンの傾斜の読みに関してはプロでも惑わされてしまうほどです。
傾斜がどうなっているのか全くわからないような状況になったら、目を閉じて足の裏で傾斜を感じるのもひとつの有効な手段であることも再度強調しておきます。