スパットと言う言葉は、かなり昔ボーリングブームだった時代を経験している方には知られているかもしれません。
レーンの4~5メートル先に目印として描かれていた図柄です。今もボーリングが再び人気になりつつあるようですから若い方も知っているかもしれませんが。

このスパットがある目的は何なのかというと、およそ18メートル先に置かれた10本のピンではなく4~5メートル先のスパットを目標にしてボールを投げることです。

これによって、ボールを正確にピンに当てるコントロール性を高めるためのものです。

ボーリングの話から始めましたが、ゴルフでも使われるこのスパットという用語の本来の意味は、「スポット=地点」からきており、目印とする地点を表しているわけです。

さて、言うまでもありませんが、ゴルフの場合のスパットは、ボーリングのように決まった場所に印が描かれているわけではありませんから、何らかの手段で自分で設定をしなければなりません。

では、パッティングする際にどこに目印を設定すれば一番よいのかが問題になります。これは、パットの距離の長さなどの複数の要因のせいでまちまちです。

しかし、共通していえることは、アドレスした状態で頭を動かす必要がない場所で、チラッと視線をターゲット方向に向けたときに視界に入るくらいのところということになるでしょう。

パターのフェース面は、このスパットとボールを結ぶラインに対して直角にして、足のスタンスと肩のラインをスクエアになるようにセットすることがパティングの基本です。

1メートルの距離でも「スパット」は欠かさない

5メートルくらいのミドルパットや10メートル以上のロングパットなどになれば、ボールを打ち出す方向の目標として、ボールのライン30センチくらい前方に「スパット」を設定して打つは当たり前と皆さんは思っていることでしょう。

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スパットはもちろん確かに必要です。とりわけカップにどうしてもボールを沈めたいようなショートパットではスパットが決め手になるといっても過言ではないくらいです。

1メートルくらいのショートパットであれば構えたときにカップが視界に入るのでスパットなんて必要ないと考えがちですが、それは間違いです。

むしろ、1メートルだからこそスパットが絶対に必要だと認識すべきことなのです。

この場合にスパットを設定する場所としてはボールの指2~3本分くらい先です。せいぜいボールの3~5センチ先にします。

肝心なことは、ストローク中に両目を動かさなくてすむくらいの近さにスパットを置くということがポイントだということです。

アドレスの時点でボールの中心を見て、その目線のままストロークに移行するのも悪くありませんし、最初からスパットを見たままの状態でストロークするのも正しい方法です。

とにかく、ストローク中に両目が動かなければそれでいいわけですからその目的に合致する場所にスパットを見つけるわけです。

インパクトの直前に頭が動いたり、上半身が流れたりする動きを「ヘッドアップ」と呼んでいますが、実際には頭が動くのが原因ではなくて、目線が動くから結果的にヘッドアップが生じるわけです。

つまり、ヘッドアップが悪者に仕立て上げても何の問題解決にはなりません。

アドレスでカップが視界に入った状態でも、ストローク中に両目をきょろきょろ動かさないようにしましょう。

見るのはボールの中心でも構いませんし、ボールのすぐ先のスパットでも構いません。

構えたときの両目、大袈裟に言えば目玉の位置を絶対に変えないようにすることが重要なポイントなのです。

ストローク中に両目を動かさないようにする練習を繰り返す場合には、1メートルの距離のパット練習が最適です。

アメリカのコーチたちはずっと前から「3フィートをおろそかにするな」とアドバイスしているという話を聞いたことがあります。

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もしも、外してしまうと恥ずかしい距離であると同時に、外れるには十分に長い距離でもあるわけです。

それに1メートルはパッティングに大切な基本がすべて盛り込まれる距離でもあるのです。

だからこそ、あまり時間が取れない時でも1メートルの練習になるべく多く時間を割くことで、パットがみるみるうちに上達する可能性をもっているのです。