手首は他の身体の部位と比較してストローク中にプレッシャーに弱いので固定しておくことが必要になります。
パッティングのストロークの場合、アプローチショットよりも小さな振り幅で打つことがほとんどです。
そのため、手先だけの動きで十分だと認識している人が多いように思われますが、これは勘違いであると言わざるを得ません。
実際のところ、パッティングの上手なプレーヤーのストロークを見ても、下半身はほとんど動いておらず、肩が少し回転しているだけが確認できる程度で、ほとんど手打ちのようにも感じるかもしれません。
しかし、パッティングにおいて手打ちは禁忌とも言えるでしょう。手首のスナップを効果的に使って、ボールをパチンと弾くように打つタイプをリストストロークと呼びます。
決してこれが完全に間違いというわけではありません。確かにグリップエンドを支点とするリストストローク打法は、重いグリーンやロングパットに対応しやすいという点ではメリットがあると言えるでしょう。
ただし、このリストストローク打法の場合は腕を回転するようなアームローテーションは極力使わないように注意する必要性があります。
米国で行われているレッスンの中では「ヒンジ(HINGE)」という言葉が頻繁に登場します。ヒンジとは扉などに付属する「ちょうつがい」の意味です。
つまり、ある一定の方向にしか動かない部位であることを意味します。
インパクトの手前からフォロースルーに至るまで、右手首が手のひら側になるか、あるいは左手首が甲側に折れるような動きがヒンジです。
正確なリストストロークを実行するためには欠かせない重要なポイントと言えるでしょう。
とはいえ、リストストロークを習熟するためには、豊富な経験と練習量が必要となります。
仕事で忙しく飛び回り、練習量が少ないサラリーマンにとっては必ずしも適しているとはいえない内容だということになります。
その上、全神経の80パーセントくらいが両腕に集中しているわけですから、緊張するシーンになるほど、手先の動きが過剰に働いてしまう懸念があります。
ストローク中のパターヘッドの加速感がうまくイメージできない場合や、インパクトでパンチが入ったりする場合など、距離感や方向性が狂いやすい要素が多いのです。
パンチとは瞬間的に強く打つことを意味しますが、極度の緊張のあまり逆に手や腕が硬直してしまって、スムーズにストロークできなくなる状況も十分に予想されるわけです。
ほとんどのアマチュアゴルファーは、手が動くせいでらパッティングの上達ができないと、言い切っても良いほどです。
まずは、手首を固定しておいて、体を使ったパターの振り方をマスターするのが近道と言えるでしょう。
それが、みぞおちの部分の回転を使うストロークであり、あるいは肩甲骨のスライドを使うストロークなのです。
手先を完全に使わない形になるため、プレッシャーを感じてもストロークの軌道のブレが起こらずにボールを正確にヒットすることができるでしょう。
打ち急ぎになるミスショットを未然に防げる効果もありますし、クラブヘッドの加速感を感じながら振れると言う意意味でも自分のリズムでストロークできるメリットが大きいのです。