ラインを読むためには、まずはブレイクポイントをしっかりと見つける必要があります。ブレイクポイントを間違えればカップインは難しいのです。

パッティングにおいて距離感をつくるということが意味するものは、ラインをつくることにもつながります。

グリーンにはフラットに見えても傾斜がありますから、それを十分に観察して、ボールからカップまでどの方向に、どのようなスピードの変化で転がっていくかを想像しなければいけません。

このイメージ作りができてこそ、はじめて距離感とラインが結びついてくるのです。

そこで、ボールが転がるラインをイメージする具体的な方法ですが、自分がこれまでどのようなラインを頭の中で描いてきたのかを見直すことから始めましょう。

仮に、7メートルのスライスラインがあった場合を想定してみましょう。

グリーンは左が高く右が低いので傾斜してますが、カップに対して左側にボールを打ち出さなくてはならないことは、普通に誰でもわかることだと思います。

重要なのは曲線をどうイメージするかという方法でしょう。カップの左に向かって打ち出した最初の時点から、少しずつ右にカーブしていくラインを想像するゴルファーがおそらくほとんどではないかと思います。

スライスラインが全体的にカーブしているようなラインをイメージしてしまうということです。

ラインを想定してカップに入れるトレーニングを一生懸命に取り組んでいる人は、ほとんどがこのパターンです。

ライン上に仮の目標地点を設定して、それに対して2本のティペグを幅で10センチ程度になるように刺して、その間を通過させるという練習をしている人も多いのではないでしょうか。

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これは、「クロスバー練習法」とも呼ばれているパッティングのトレーニング方法です。

ラグビーでフィールドゴールを狙うときのクロスバーと似たような感覚で、ゴールを決めるような気持ちでストローク練習を積む方法です。

スライスラインの場合は最初から曲がるラインをイメージしていることが多いでしょうから、気づかないうちは2本のティペグを、カップよりもかなり左側に刺してしまうことでしょう。

しかし、クロスバーを正確に通過させても、カップインするどころか、カップには全然近く寄りません。クロスバーを何度通過させても、カップの左サイドに大きくはずれてしまう状態になるはずです。

カーブするラインも、ストレートラインの気持ちで打つ

これを改善しようとして、ティペグの位置を少し右寄りに移動したくらいでは、それでもうまく入らないでしょう。

徐々にティペグの位置を右側にずらしてくれば、かなりカップに近づいてくることがわかるでしょう。

最初のティペグの位置はカップよりもかなり左側でボールに近い場所だったはずが、徐々にカップの左を向く度合いが弱まるわけです。

それと同時に、カップ側にボールは寄っていくわけです。最初はラインの全体が曲線になるイメージだったものが、カップのやや左の位置に設定した2本のティペグを真っ直ぐ狙って打つ感覚になってくるでしょう。

こうなると、今までの苦労が何だったのだろうと思えるくらいにカップインが連続してできてくるでしょう。

どこに間違いがあったのかといえば、ボールのスピードをイメージしないままストロークしていたのが原因なのです。

ボールが転がるスピードの初速と終速には大きな違いがあります。そのため、ずっと同じように転がっていく曲線をイメージすることは意味をなさないライン読みだったのです。

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初速はスピードがあるので、グリーンの傾斜の影響はそれほど大きく受けません。

そのため、ほぼストレートにボールは転がっていきます。

転がるスピードがある程度弱くなってきたところで、傾斜の影響が大きくなって次第に右へとボールの転がる向きが変わってきます。

ブレイクポイントというものは傾斜によってボールが曲がり出すと考えられる場所のことです。プロ選手たちの動きを見ているとカップの近くまできて、傾斜を確かめていることに気づくことでしょう。

これこそ、ブレイクポイントを探している作業を行っているシーンです。

他のショットの場合はスイング軌道やインパクトでのクラブフェースの向きなどの要素が複雑に絡み合ってボールが曲がります。

しかし、ことパットに関してはグリーンの傾斜によって勝手に曲がるものです。意図的に曲げようとしても実際にはできません。

フックラインであれスライスラインであれ、ブレイクポイントを見つけ出す作業を事前に行わなければカップインはできません。

そして、ブレイクポイントに対してスクエアに構えてストレートに打ち出すのが正しい方法です。

基本的には打ち出す方向を定めてから、ストレートなラインのつもりでストロークすることが非常に重要なポイントになるのです。

傾斜の程度がどれほどかでブレイクポイントの位置が違ってきますが、これまで考えていたよりもずっとカップの近くにあるということを覚えておきましょう。