グリーンの芝目と傾斜を正しく読んで正確にラインに乗せることができなければ、パッティングが成功しないのは言うまでもありません。

カップインするということはある意味ではグリーンとの勝負でもあるわけです。

ボールの回転を複雑に変化させる芝目や傾斜に惑わされないで正しくラインを読むためには、芝の観察は欠かすことが出来ません。

ライン決定に大きく影響する要素

パッティングに入る際の最初の大きな仕事は、グリーンを読むということになります。

パットのラインを決めるためにはどうしても避けられない作業ですが、18ホールあるグリーンはそれぞれ個性あふれるような特徴を持ちます。

また、ボールとカップの位置関係次第でも、さまざまなラインを読まなければいけません。

そのパットのラインを決定に直ちに結びつくことが、「グリーンの読み」です。読むために関連する主な要素は“芝目”と“グリーンの傾斜”です。

芝目には、「順目」と「逆目」があります。ボールのある場所から見てカップに向かって芝が寝ている状態を順目と呼び、その反対が逆目と呼ばれます。

順目はボールの転がりはスムーズで速さもあり、反対に逆目は芝の抵抗を受けるために遅くなる傾向があります。

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一般的に、この芝目の影響は、高麗グリーンのほうベントグリーンよりも大きいのが常識だとされています。

高麗グリーンで逆目の上りのラインともなると、かなり強めに打たなくてはカップインできません。順目で下り傾斜のラインと比較すれば、ボールの転がり具合は大きな違いがあります。

高麗グリーンでの芝目の読み方

基本的な高麗グリーンの芝目を読み方としては、芝の色の濃淡で判断を参考にします。濃く見えるところは逆目であり、薄く白っぽく見えるところが順目です。

富士山など比較的近い場所に高い山があるコースでは、山に向かって逆目になって、山から見れば順目が多いです。

このようなゴルフコースでは、山の位置を確認するだけで、芝目のおおよその傾向をつかむための参考になります。

シーサイドのゴルフコースでは、海に向かって順目になっているケースが多く見られる傾向があります。

これは、芝が水のある方に惹かれているためという説明もありますが定かではありません。

別なチェックポイントとしては、グリーンのカラー部分の芝を観察するのも有効です。グリーンの中央付近と比べれば芝が長いために、芝目の方向を確認しやすいことが多いです。

グリーンのカラーを見れば、そのホールのおおよその傾向がつかめるでしょう。

また、単純に順目と逆目ばかりがあるというわけでもなく、ボールからカップヘのラインがその目を横切る形だったり、斜めになっている状況も当然あります。

単純に順目・逆目の違いを観察するのではなく、あくまでもそれを参考にして、ボールの転がり具合を想像してラインを読む必要があります。

ベント芝のグリーンに芝目は関係ない

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ベントグリーンの場合は、高麗グリーンに比較して芝目がかなりソフトなので、芝目よりも傾斜を重視してラインを読む方が良いでしょう。

グリーンの芝に使われることが多いのは、じょうきのように「コーライ(高麗)グリーン」と「ベントグリーン」の2種類です。

高麗グリーンは強い芝目を持ち、その影響を受けやすいと説明しました。

その一方で、ベントグリーンは高麗グリーンほど芝目は強くないのでその影響は受けにくいというのがまず間違いない特徴です。

ベントグリーンは高麗グリーンと比較すれば、1本1本の芝が柔らかいという特徴があります。そのため、芝目が影響することはほとんどないと言い切っても構わないほどです。

芝のそれぞれの特徴として言えることは、高麗グリーンは夏は暑さに強いということが言えますし、ベントグリーンは冬の寒さにという性質があることです。

昔のゴルフ場は、この2つのグリーンを設えていて使いわけをすることが多かったのですが、近年は芝の改良が進んだため、ベントグリーンひとつに改造するコースが増えています。

そのわけは、ベントグリーンのほうが芝が密生しやすく、グリーン面をより均一にしておくことが容易だからでしょう。

ゴルフのツアー競技においては、今では高麗グリーンのコースは昔よりもかなり少なくなっています。

男子ツアーで高麗グリーンを使うのは、福岡県の芥屋GC、女子では静岡県の川奈ホテルのゴルフコースがあるといった程度です。

ベントグリーンは芝目の影響は受けにくいと説明しましたが、これは全く影響がないという意味ではありません。

例えば、富士山のような高い山を背にしたグリーンの場合、上から下への芝目が強い傾向がありますし、川などがある近くでは水の流れに沿うように芝目が向かうというような傾向が見られます。

それとは別に、次のホールに向かう通り道はどうしても皆が踏みしめることになるため、芝目は人が歩く方向に向かって順目になる傾向も出てきます。