パター以外のクラブを使ってパッティングの練習をするのも有効な方法です。ここでは、ドライバーとウェッジを使用したパットの練習方法を紹介しておきます。

ドライバーでボールを転す

ドライバーはすべてのゴルフクラブの中で一番シャフトが長く、ヘッドを一番利かせやすいクラブと言えるでしょう。

ロフト角は9~12度程度なのでパターに近い面もありますし、クラブフェースはほぼ立っている状態なので、ボールを転がすこともできます。

長いシャフトを利用した練習方法を通じて、インパクトでボールを弾かせる感覚がつかめて勢いのあるボールの転がしを実感できます。

しかしながら、今回の練習の本当の目的はボールのスムーズな転がし方を習得することではありません。ストロークの支点を安定した状態に保つことが本来の狙いです。

みぞおちの回転運動でストロークするタイプのパッティングでは、胸椎が支点と考えるのが妥当です。肩と両腕と両手、さらにはパタークラブを同調させることで、みぞおちを動かしてストロークする方法です。

支点が安定していれば、時計の振り子のようにパターヘッドがリズミカルに動いて、安定した軌道とスピードで動いてくれます。

しかしながら、ストロークの支点であるみぞおちとパターヘッドの中間地点である両手が大きく動きすぎてしまえば、パターヘッドの動きが波打つような不安定な状態になります。

このようにストロークの支点が一定にできないゴルファーには、ドライバーを使ったパッティングのトレーニンが効果的です。

スポンサード リンク

このトレーニングでは、中尺パターを使う要領で、グリップエンドをお腹に軽く当ててアドレスの姿勢をとります。

そして、手はいっさい使わないで、みぞおちだけを動かしてストロークすることを心がけます。

手元を固定しておくことによって支点が一定に保たれてし、パターヘッドの軌道のブレが生じにくくなります。

ボールをジャストヒットさえできれば、インパクトの打感による快感がすぐに手元に伝わってくるのがわかるでしょう。

ジャストヒットとミスヒットがどれくらい違うのかの感覚が、パタークラブを使用したとき以上に体感できるのです。

パターを握った場合も、ドライバーを手にしている練習のイメージを思い出しながら、安定した支点とインパクトの打感をイメージしてストロークすれば、ボールがカップに入るの確率は驚くほど改善されるはずです。

サンドウェッジで転がす

パターフェースの芯でなかなかボールに当たらずに、インパクトの打感が悪いというケースにはウェッジを使用したトレーニング方法が有効です。

インパクトの打感良くないということは方向性が狂いやすく、距離感もなかなか合わない状態を招きます。

そんな傾向があるゴルファーは、ここで説明するパタークラブの代わりにサンドウェッジでボールを転がしてみるトレーニングを試してみましょう。

このトレーニング方法では、フェースの刃(リーディングエッジと通常呼ばれています)の部分を、ボールのちょうど中央部・赤道の部分に当てるのがポイントになります。

スポンサード リンク



まず、パターと同じ長さで振るには、サンドウェッジを短く持つ必要があります。

そして、パターを持つときと同じ要領で両手をグリップして、フェースの刃をボールの赤道と同じ高さまで浮かせて構えるようにします。

ストロークしている間はアドレス時の両腕の長さが変わらないように気を配りつつ、手首をしっかりと固定してボールを打つようにしましょう。

クラブヘッドが上から入りすぎればボールの中央部(赤道)の下にぶつかって、ボールがポコリと上がってしまうでしょう。

リストをこねて、下からしゃくり上げるような打ち方になってしまえば赤道よりも上側にぶつかり、ボールの転がり方に安定性がなくなります。

ボールの位置やアドレスの体の向きが本当に正しいのかをもう一度確認した上で、リーディングエッジを正確にボールに当てる練習を繰り返してみましょう。

ストロークの幅の目安としては、5~6メートルくらいボールを転がす程度の少し小さめの振り幅で構いません。

クラブフェースのスイートスポットにボールが当たらないのは、ボールの芯もはずしていることも意味します。

理想的にはストローク軌道の最下点を通過した直後のタイミングでインパクトを迎えるストロークを実践してはじめて、フェースの芯とボールの芯をぶつけ合うことができるのです。

実際にパターを使用するストロークは緩やかなアッパーブローの軌道になりますが、サンドウェッジの刃で当てるトレーニング方法では限りなく真っすぐに近い軌道です。

つまり、地面に対して平行の水平軌道であり、ボールを水平に打つように心がけます。

手首を固定する感覚が強調されるため、インパクトの正確性が必ず改善されます。この感覚さえ身に付けば、もうパターの芯をはずす心配はなくなるでしょう。